2012-09-22

(自作)アンカーローラーの制作(24)今後に向けての課題整理

アンカーローラーの制作は、完璧な状態ではないものの、実用的にはまずまずの結果を得られたことで、制作を終了(中断)しています。

制作を終えた開放感と安堵感の後、ようやく冷静に現状を見つめることができるようになったため、現在の状態と課題を整理してみます。


ボートへのダメージ
(1)取り付け部分への配慮
アンカーローラーの台の裏面、船ベリに挟み込む板にはウレタンゴムを接着してみました。
船体の保護だけでなく、取り付け板の滑り止めにもなっています。


(2)アンカーロープと船体との接触の回避
アンカーを引き上げる時にボートの船体にロープがこすらないように、丸棒をつけました。
丸棒を付けた効果は、丸棒がロープでかなり削れているため効果があったように思います。

(3)アンカーロープへの配慮
ロープが接触するローラー部分や丸棒は柔らかめの板材を使いました。また、ローラーとの摩擦を減らすために(引き上げには効果的と言えませんが)、シリコンスプレーを吹き付けています。


アンカーローラーの効果
(1)体力面
アンカーを引き上げるときの姿勢、特に体幹の角度が大きく変わったことで、腕・肩・腰への負担が減りました。

アンカーが海底を離れてから海面に引き上げるまでの辛い感じはなくなりましたが、腰への負担はは、完全にはなくなった訳でありません。。

アンカー引き上げの負担がかなり減り、釣行後の疲労がかなり減りました。


(2)力学的な側面
力学的に見るとアンカーローラーを付けても、付けなくても引き上げるために必要な仕事量は変わりません。

身体への負担の軽減はできていますが、腰への負担が完全になくなった訳ではないため、できれば、アンカーの引き上げを物理的に積極的に支援するような機能が欲しいところです。
��てこの原理を使ったり、電動アシストとか、バネやゴムに位置エネルギーを蓄えて解放する機構等、もっとアイデアが欲しいところです。)

※ローラー部分に歯車を付けて、逆回転防止ロックを付けるのもいいかもしれません。


安全性
まだアンカーローラーを付けて2回しか釣行していないため、安全性の検証は十分ではありません。

風、波が穏やかな天候での通常使用においては、安全面で懸念することはなさそうです。

アンカーローラーを取り付けることでボートの重量バランスが若干変わりますが、総重量が2Kg程度のため、大きな影響はないと思われます。


可搬性
持ち運びサイズは、約30cm×約15cm×約15cm、重量は約2Kgでカートで持ち運ぶ場合には許容範囲と思われます。

取り付け板やローラー部分の材料を変えることで軽量化ができる可能性は十分あると思います。


デザイン
試行錯誤と無計画な制作のため、板に多数の穴が開いていたり、ウレタンゴムの貼付け面を間違えたために、両面に貼付けて見栄えが悪くなってしまったことなど、試作バージョンとはいえ見た目は、非常に悪いと思います。

改善の余地は無限大です。


耐久性
海水で濡れる部分にシリコンスプレーを吹き付けて若干の耐久性の向上を図っていますが、材料のほとんどが木材のため、耐久性に乏しいと思われます。

特に、ロープと接触する丸棒はロープでかなり深く削られるため、いずれ取り替えが必要です。

耐久性に乏しい木材を利用しているため、より丈夫で船体やロープを傷めないのであれば、安い材料があれば変更したいところです。


コスト
試作バージョンの材料費は三千円前後です。
最も高いのはローラーを支える金具(1つ500円くらい)です。その他のパーツは概ね300円以内に購入できると思います。


下記に書いたようなローラー部分を重量戸車に変更した場合は、ローラーの取り付け方法がシンプルになるため、プラス1000円くらいで可能と思います。

※ナイロンシープで1000円台のものがありましたので、現状では、重量戸車よりおすすめだと思います。


改善すべき事項等
(1)ローラーの径
ローラーの径は、持ち運びに支障がなければもう少し大きくてもよいかもしれません。

径が小さいため、一度に引き上げるロープの長さが短く、回収したロープの径が小さくなってしまうようです。

ローラーの周長が長ければ、引き上げる動作の回数を減らすことができ、回収したロープの径も大きくなります。

ローラーの径が大きくすると重くなってしまうため、バランスが難しいところです。


(2)ローラー部分の加工
ローラー部分の「りんごの食べかす加工」は骨の折れる作業です。

彫刻刀だけで削るのは木材が固いと加工が難しいです。

コツとしては、彫刻刀を胸に当てて、体を倒すことで刃を前にゆっくりと押し出すと、スムーズに加工できます。

ローラーの軸を固定する部分を取り付けてから、加工する方が簡単で安全です。

木材を削ってローラーを作成する利点は、割合自由な形状に加工できることですが、私自身も二度とやりたい作業ではありません。

テーパー状に円盤を削る作業のコツは、まず、外側から内側に向かって階段状に掘り進めて、ある程度、削ったら、階段の角を削って滑らかにします。


(3)ローラー部分の変更
新しいバージョンのアンカーローラーを作成する場合は、ローラー部分は重量戸車を使う予定です。

重量戸車は重く、値段も2000円程度と決して安くありませんが、現在の方式でもローラーを支える金具二つで1000円くらい掛かっていますので、プラス1000円であれば、許容範囲内です。

試したことがないため確かなことは書けませんが、アンカーロープが重量戸車の溝にちゃんと挟まるかを確認してから購入した方がよいと思います。


※よく調べたところ、ナイロンシープで1000円台で購入できるものがあったため、ナイロンシープを使うのが一番よい方法だと思われます。


※このシープもよさそうです。


(4)折畳みを可能にする
ローラーの取り付け板は、ボルトで留めるようになっていますが、蝶番金具を使って折畳みを可能にした方が取り付けが楽になり、取り付け時間も短縮できると思われます。


(5)取り付け板の結合方法の改善が可能
現在の取り付け方法は、両側の取り付け台の板に溝を掘って、間に板を挟んで両方の板に、ボルト留めする設計にしています。

実際に使う場合には、片側の板にボルト留めしたまま持ち運び、ボート上ではもう一方のみをボルトで留めています。

そのため、2枚の板を糸ノコなどで、最初から凹凸上に切断すれば、作成時間の短縮になると思います。


(6)取り付け台の改善
ボートの船首に渡す取り付け台は、アンカーローラーを固定するだけの用途しか現在のところありません。

引き出しに取り付ける金具を取り付けてクリートの替わりにすることができるかもしれません。

取り付け台は、ローラーを載せる部分と左右の船べりを渡す部分と分けられます。後者は、木材でなくても引っぱりに強い材料であれば、例えば、100円ショップで売っている黒い金網状のもの(ワイヤーネット)でもよいかもしれません。

(7)U字ボルトのサイズ変更
以前の記事にも書いたように、現在利用しているU字ボルトではサイズがギリギリですので、もう1回り大きなサイズの方がよいようです。


私が思いつく改善点は以上です。他にも、板のサイズの最適化、台の素材の変更、もっと船首側で固定できないかなど改善点は無数にあると思います。


作成後記

アンカーローラーの制作記事は、ゴールが途中から見えにくくなり暗中模索の状態がありました。

特に、最後の取り付け方法を検討している最中は、夢に出てくる程、一日中、取り付け方法を考えている状態でした。

最後にU字ボルトと長ナットを使って固定する方法が見つかっていなかったら、今頃、ちょっとしたストレスを抱えていたかもしれません。


制作記事は、少なくともゴールに達してから振り返りつつ、あるいは途中経過をしっかりと記録して記事にした方が無難のようです。


記事にするまでは、失敗も成功も途中の検討作業も記事にした方が参考になるかもしれないと思っていましたが、もう少し整理した方が情報が分散しないで読み易かったかもしれません。


以上でアンカーローラーの制作記事は完了です!!!。たぶん...。



※ウレタンゴムと記述していますが、実はウレタンゴムではないような気がしています。
おそらく、スポンジゴムでないかと思っています。
後で確認して修正をします。


2012-09-19

(自作)本牧海釣り公園用 竿受けの自作

本牧海釣り公園で釣りをしていると竿受けが欲しいと思うときがあります。

竿受けの必要性

��つは、手すり部分や丸い支柱に竿を立てかけておくと、ロッドの塗装が剥がれるためです。イワシがアジが釣れた時に、上下にロッドを叩くように当たりが出る場合や、風でロッドが流されて支柱にこする場合もあります。

そんな軽度の傷でもロッドの塗装面は薄いので、できる限り傷を付けない方が長くきれいに使うことができます。

もう1つは、南風が強い時に、丸い支柱に置いたロッドが風で流されてしまうことがあり、お隣や自分のロッドの距離が短くなり、仕掛けが絡まり易くなることです。
それを避けるためにも、竿受けがあれば便利です。

さらにもう1つの理由を挙げるとすれば、占有にしているスペースを明示することです。不必要に広い場所を占有するのはよくありませんが、適切な間隔を維持するために竿受けがあれば、お隣とのトラブルも減りますし、人が入ってきたときに、竿受けを移動させることで、明示的に場所を譲ることができます。

他にも竿受けを使うことで、仕掛けをより遠方に出すことができるのでお祭りを避けることができることを挙げることができます。


作成する竿受け

今回作成する竿受けは、実際には、「竿置き」と呼ぶようなもので、手すりの丸い棒に装着して、竿が風で流されたり、傷が着かないようにするためのものです。

受け太郎のような本格的なものではなく、極めて簡便なものです。


出来上がりイメージ

$の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り


極めて簡単に作成できます。

最も安いもので500円くらいです。

前置きが長い割には、イメージとだいぶ違うかもしれません。

制作時間は30分くらいです。

制作記事は次回です。

2012-09-17

(自作)アンカーローラーの制作(23)設計情報

アンカーローラーの設計情報です。

GoogleのSketchUpというソフトで描いています。
はじめて使うソフトですが、操作が簡単ですので1時間30分くらいで描くことができました。

図面の書き方はかなりいい加減ですが、とりあえず寸法がわかるようにしました。
この通り作成しても保証はできません。あくまで参考情報とさせてください。

このソフトはフリー(無料)で使うことができます。
��MacとWindowsで使えます)

英語ですが、チュートリアルのビデオが公開されています。
非常に面白いソフトですので、ぜひ使ってみてください。

最初にビデオを見るのをお勧めします。

※最新の設計情報は、このソフトを起動後、ダウンロードしてお使いください。
��ブログの設計情報より新しくなっています)


全体像1

の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り-全体



全体像2

の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り-全体2



右側

コーナーが切れているところが、アンカーローラーを載せる場所です。


の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り-右




左側

の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り-左


左右をつなぐ板

$の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り-差し込み棒



不足している情報がありましたら、コメント欄にご記入願います。


留意点
  作成されるローラー部分のサイズに合わせて、右側の板に穴を開けてください。
  

追記
��Dギャラリーから設計情報をダウンロードして、sketchupで閲覧できます。

操作方法
��)sketchupを起動
��)ファイル → 3Dギャラリー → モデルを取得
��)検索ボックスにアンカーローラーと入力して、検索ボタンをクリック
��)アンカーローラー試作バージョン2をクリック
��)モデルをダウンロードをクリック
��)「モデル内にダウンロードしますか?」と表示されるので、OKボタンをクリック
��)モデルが表示されますので、自由にお使いください。

2012-09-16

(自作)アンカーローラーの制作(22)試作バージョン2を試す

今回の釣行は、アンカーローラーを試すために行ったのか?と言わてもおかしくないほど、アンカーの上げ下げをしました。

何度も繰り返すとまだ、課題があることがわかります。


バイスから最初の角材を締め付ける方式に戻した固定方法は、これで正解でした。


全体像

取り付け板の真ん中が曲がっているのは、前回も同じです。

前回の場合はボルトが緩んでいたためです。
今回は、ボルトのサイズを間違えたためです。サイズが違ってもボルトが板に開けた穴にさえ通れば、引っぱりには強いので、大きな問題はありませんでした。

取り付け台の板の中心は、曲がっていても大きな問題はないようです。




の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り-全体



取り付け状態

左右とも船首側は、船体の溝が斜めに走っているため、ボルトが斜めに傾いています。

ボートの船べりに挟み込んだ板のサイズは、ちょうどよい大きさでした。
船べりの隙間のサイズは前回4cmと書きましたが、4cmではなく3cmでギリギリのようです。

肝心要のU字ボルトのサイズは、今回購入したサイズではギリギリでした。
これ以上小さいと台の穴を空ける位置を台の両端から5mmくらいにしないと取り付けができないと思います。
そうなると強度が不足してしまいます。

��字ボルトのネジ間の間隔は約31mm、高さ(U字の底からネジ端まで)は、60mmです。
ホームセンターで購入される場合は、まず、メジャーや差し金を買い物かごに入れて、それを使って計測するとよいと思います。

私がもう一度アンカーローラーを作成するとしたら(たぶんありませんが)、もう1サイズ大きいU字ボルトを使うと思います。

注意する点は、尺寸法やたまにインチ寸法のものがあるため、必ずmm単位で計測できるもので測ることです。

また、購入しない場合は、できる限り早くお会計の前にカゴからちゃんと売り場に戻すことです。
��なんのこっちゃ)

の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り



の・ん・び・り(したい) 手漕ぎボート釣り



課題
取り付け台は、アンカーローラーがちょうど船べりの上に位置しているので、引っぱりに強いければ、上下にはあまり大きな力が働かないと思われます。

ところが、実際にアンカーロープをローラーを使って引き上げてみると、たまに「ごつん」と引っかかるところがあります。

そうです、ロープのコブ(結び目)の部分が、ローラーの下側で引っかかるため一瞬止まってしまします。

力を込めて引き上げると結び目があってもローラーが回転して、手前に引き上げることができますが、その時にローラーを下から持ち上げる力が働きます。

取り付けがちゃんとしていないと台がずれてしまい、結び目を引き上げるのが難しくなってしまいます。

そのため、取り付け台を固定する角材と一体化したボルトは、船べりに挟み込んだ板の上(ボートと接触する部分)に厚めのウレタンゴムを接着してあるため、かなり強めに締め付けてもボートを傷めることがないため、思いっきり締め付けておいた方がよいです。


今回の方式の締め付けは、U字ボルト下の長ナットと角材一体化アンカーボルトとの間で行われるため、取り付け台のボルトを通す穴は、ボルトがちゃんと回転するサイズの穴を空けておく必要があります。


取り付け板の設計について
今回の設計は持ち運びが楽なように、台を中心で分割して、ボルト留めするようにしていますが、蝶番金具(ドアや箱のフタなどの閉開可能なものに使われる金具)を使って、折畳みが可能にして、強度を上げるため、スライド式の棒を結合部分に渡すような作りでもいけそうです。



アンカーローラーの作成の完了
今回の釣行で試した結果、一番の懸念材料であった取り付け台の固定がうまくいきました。

取り付けと取り外しがスムーズにできないとストレスが溜まるため重要です。


��月16日から開始したアンカーローラーの制作、奇しくもちょうど二ヶ月で終わったことになります。


当初は2週間以内に終わらせようとしていたのですが、ここまで時間がかかってしまいました。


手漕ぎボートの構造をよく知っている方から見ると、何やってんだろう的な記事でしたが、完成するところまで漕ぎ着けてよかったです。


制作記事自体は、次の設計情報の整理で締めくくりたいと思っています。


謝辞
コメントをいただいた方、非常に励みになりました。
ありがとうございました。

大津の手漕ぎボートのブログで様々な情報を公開されている諸先輩方には、アンカーローラーの取り付けにあたって、同時期に竿受けの記事があり、参考にさせていただきました。

その他の記事を見ていただいた方のアクセスがあってこそ、続けられたと思います。

ありがとうございました。